今回は、名石が産出される土地での作庭となり、
土地の特性と、素材を生かす形での仕事となりました。
他にはない、塀を作ってほしいとの、お施主様のご要望にも
こたえる為、苦心しました。 (作庭面積 7u)
玄関横にある庭の入り口、
石は道路工事に伴って崩された石垣の石を再利用しました。
川の玉石の為、石が滑りやすく、積み上げるのは苦労しました。
あえて、セメント固定は上部のみとして、石の隙間からシダが生えたり、
トカゲやヤモリが棲めるように配慮しています。
水に濡れると、個々の微妙な色合いの違いが、とても上品です。
オリジナルの板塀は、古式竹穂垣からヒントを得て、杉の板を合わせてみました。
これは、お施主様の娘様から「格式ばったものにはしないでほしい。」
と言う希望により、以前に作った、オリジナルの松明垣よりも、
軽い感じに仕上げています。
扉を開けたところ。
お隣の土塀が奥に見えます。崩れかけてはいますが、とても味わい深く、
あえて隠さず借景しました。
塀の中の庭です。
写真中央に、小さな枯滝を作り、その左下には洞窟をイメージした石組みをつくりました。
既存の石組み作法にこだわらず、自然の森をイメージして、作ってみました。
此処の山の石は、板状に剥離しながら崩れていく為、石の顔が、小口に出やすく、
顔を正面に向けると、自然と向きが揃ってきます。
結果的に、自然の岩山の姿になった様な気がします。
この庭は、以前にあった庭石と、裏の持ち山から掘り出した山石により
構成されています。
庭木も裏山から掘り出したものを使用しています。
地元の自然の恵みを頂いた庭になりました。
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